ヘルプ

はじめに

ManaPDF には GUI(ManaPDF.exe)と CLI(manapdf.exe)があります。 どちらも Microsoft Store から入手でき、同じ PDF 処理の中身を使います。

版向いている用途
GUI普段の作業を画面から行う
CLIスクリプトやバッチでの自動化、ターミナルでの作業

利用条件の詳細は 利用条件 と ライセンス を参照してください。

GUI の使い方

Microsoft Store から ManaPDF をインストールし(製品ページ)、左のメニューから画面を選びます。 .NET Desktop Runtime の別途インストールは不要です(アプリに同梱)。 ボタン名は OS の表示言語に応じて日本語または英語になります(画面タイトルの Compare などは英語表記のままです)。

パスワード保護 PDF: 開くのにパスワードが必要な PDF では、Inspect・Metadata・Text・Report・Compare でパスワード入力ダイアログが表示されます。暗号化されていてもパスワードなしで開ける場合(権限パスワードのみなど)は、ダイアログを出さずに読み込み・編集を試します。同じセッション内では、一度正しいパスワードを入力すると他の暗号化 PDF でも再利用されます。パスワードはログや結果に含まれません。

Home

アプリの概要です。他の画面へ進む入口として使います。

Compare

いつ使う: 2 つの PDF が同じか、どこが違うかを確認したいとき。

手順: 「変更前」「変更後」に PDF を指定(参照...)→ 必要なら「テキスト差分を含める」などにチェック → 比較。暗号化 PDF の場合はパスワード入力ダイアログが表示されます。

結果は画面に表示されます。Markdown 保存、JSON コピー、CLI コピーで再利用できます。

Text

いつ使う: PDF に埋め込まれたテキストを取り出す・検索する・置換したいとき。

手順: 上部で「PDF ファイル」を指定(Extract / Find / フレーム操作 / Replace で共有)→ タブを選びます。

  • Extract — 抽出。ページ番号を空欄にすると全ページが対象です。テキスト保存、クリップボード、JSON / CLI コピーが使えます。
  • Find — 検索語を入力して 検索。ヒットしたページ番号を表示します。
  • フレーム操作 — 注釈・フォーム欄・本文ブロックの矩形を一覧します(ページ画像は出しません)。「含む」で絞り、出力 PDF(既定は *-frames.pdf)を指定して 一致したフレームを除去。白塗りではなく本文演算子を空にします。検索語を含む本文ブロックはブロックごと落ちます。見た目が消えても抽出できれば秘匿ではありません。成功表示はフレームの件数と演算子の件数を分けます。橙色の警告は、除去後も抽出できる文字が残っているときです。フォーム欄は一覧できますが、フォーム定義そのものの削除はまだありません。CLI コピーは text regions / text regions remove です。除去には「含む」が必要です。既定の種別は本文ブロックです。
  • Replace — 検索語・置換語・出力 PDF を指定して 置換(ベストエフォート。完全な秘匿・匿名化は保証しません)。

スキャン PDF などではテキストが取れない場合があります(OCR は行いません)。編集制限のみの PDF(閲覧パスワードなし)は、Unlock / Metadata と同様に制限なしのコピーとして置換・フレーム除去します。

Metadata

いつ使う: タイトル・作成者などのメタデータを確認・編集したいとき。

手順: 「入力 PDF」と「出力 PDF」を指定 → 読み込み で現在の値を表示 → 項目を編集 → 保存。

作成日時・更新日時は空欄のままで保存できます(PDF にも書き込みません)。ManaPDF をアプリケーション名に使うチェックボックス、PDF 変換(Producer)なども設定できます。

他の項目だけを編集した場合、ManaPDF は可能な限り既存の Producer(PDF Info と XMP)を保持します。非常に長い Producer は PDF 構造の制限で切り詰められることがあります。保存後に PDFsharp … のように表示される場合は、PDF 変換 欄で明示的に値を指定して保存してください。

パスワード保護 PDF の解除は Unlock 画面を使います(入力ファイルは変更しません)。

一括モード: 「一括モード(フォルダ)」にチェックすると、入力欄に入れた項目を 保存 でフォルダ内の PDF へまとめて書き込めます(空欄の項目は変えません)。メタデータ削除 は単体と同じく基本メタデータを消します。入力フォルダ・出力フォルダを指定し、必要なら「サブフォルダを含める」をオンにします。処理中は キャンセル で中断できます。暗号化 PDF には Unlock 一括と同様のパスワード入力が使われます。

他のアプリでの表示: 作成者やキーワードにカンマが含まれると、Adobe Reader などで引用符付きに見えることがあります(Microsoft Word から PDF を作成した場合でも同様です)。ManaPDF に保存された値そのものに " は付きません。キーワードは v0.13.1 以降、Adobe Reader 向けの同期により改善されています。

くわしい手順: Tips — メタデータ一括変換(GUI 手順・metadata batch / metadata set のループ例あり)

Unlock

いつ使う: パスワード保護 PDF を、正しいパスワードで開いてパスワードなしのコピーとして保存したいとき。

手順: 「入力 PDF」と「出力 PDF」を指定 → パスワードなしで保存。暗号化 PDF の場合はパスワード入力ダイアログが表示されます。

一括モード: 「一括モード(フォルダ)」にチェックすると、フォルダ内の PDF をまとめてパスワード解除できます。入力フォルダ・出力フォルダを指定し、必要なら「サブフォルダを含める」をオンにします。処理中は キャンセル で中断できます。

ManaPDF はパスワードの解析・復元・総当たり・回避は行いません。

くわしい手順: Tips — パスワード付き PDF を解除 · Tips — フォルダ一括でパスワード解除(CSV・パスワード一覧テキスト・ファイル名からの指定)

Image to PDF

いつ使う: 画像から PDF を作りたいとき。

手順: 画像を追加 または フォルダを追加(どちらか一方)→ 「出力 PDF」を確認・変更 → 必要ならメタデータを入力 → PDF 作成。

画像やフォルダを指定すると、作成日時に現在時刻が入り、更新日時を作成日時に合わせる がオンになります。日時は空欄のままにもできます。

複数の画像ファイルだけを選んだ場合は 上へ / 下へ で並べ替えできます。フォルダや ZIP を選んだときは 並び順 を変更できます。

くわしい手順: Tips — 画像から PDF(自然順とファイル名順の違い、CLI の --sort)

Inspect

いつ使う: 1 つの PDF について、構造情報・埋め込み画像・ファイルハッシュを確認したいとき。

手順: 上部で「対象ファイル」を指定 → タブを選びます(3 タブで同じファイルを参照)。

  • Info — 読み込み。ページ数・サイズ・ハッシュ、PDF バージョン、XMP、PDF/A・PDF/X らしき識別情報、署名・タイムスタンプ、添付など(準拠検証や法令適合の判定は行いません)。CLI の info に相当する表示です。
  • Images — 出力フォルダを指定 → 一覧 → 必要なら 抽出。CMYK などの色空間については Extract Images と同様の注意があります。
  • Hash — 計算 で SHA-256(PDF 以外のファイルも可)。ハッシュコピー でクリップボードにコピーできます。

CLI の inspect(外部リンク・JavaScript などの確認項目一覧)は GUI にはありません。ターミナルで manapdf inspect を使います。

Report

いつ使う: 単一 PDF またはフォルダ内の PDF について、構造・メタデータ・暗号化有無・PDF プロファイルなどを一覧したいとき(読み取り専用)。

手順: 「PDF ファイルまたはフォルダ」を指定 → 必要なら「サブフォルダを含める」にチェック → レポート実行。長時間かかる場合は キャンセル で中断できます。

結果は画面に表示されます。PDF バージョン、PDF/A・PDF/X らしき識別情報、署名・タイムスタンプ、添付などの列も含まれます(準拠検証ではありません)。JSON エクスポート、CSV エクスポート、クリップボードへの JSON コピーが使えます。CLI の manapdf report と同じ Core を使います。

About

アプリ情報(About)、ポリシー文書(Policy)、利用条件の概要(Usage)、依存ライブラリのライセンス(Licenses)をタブで読む画面です。操作より参照用です。CLI では manapdf license / policy / licenses も利用できます。

CLI の準備

CLI(manapdf.exe)は Microsoft Store 版 GUI に同梱されています(App Execution Alias)。 スタンドアロンの CLI ZIP は現時点で一般向けに提供していません。

  1. Microsoft Store から ManaPDF をインストールします。
  2. 新しい PowerShell または cmd を開き、manapdf version で確認します。
  3. 認識されない場合は、Windows の「アプリ実行エイリアス」で manapdf.exe が有効か確認してください。

動作確認

manapdf version
manapdf --help

言語の切り替え

CLI のメッセージは既定で英語です。日本語にするには:

manapdf --lang ja version
$env:MANAPDF_LANG = "ja"
manapdf version

日本語が文字化けするとき(cmd.exe)

コマンドプロンプトで文字化けする場合は、実行前に chcp 65001 を試してください。PowerShell 7 や Windows Terminal では多くの場合そのまま表示されます。

CLI コマンド一覧

コマンド説明
diff2 つの PDF を比較
text find抽出可能な本文テキスト内を文字列検索
text regions注釈・フォーム欄・本文テキスト塊の矩形を一覧(任意の --contains / --kind)
text regions remove一致したフレームを別 PDF へ除去(本文演算子を空にする。白塗りではない。--contains 必須。既定の --kind は text-block。成功はフレーム数と演算子数。抽出が残れば秘匿ではない)
text replace書き換え可能な本文テキストを置換して別ファイルに保存(ベストエフォート。完全な秘匿・匿名化は保証しない)
text埋め込みテキストを抽出
metadata showメタデータ(Title など)を表示
metadata setメタデータを編集して別ファイルに保存
metadata replaceメタデータ内の文字列を置換して別ファイルに保存(Document Info のみ。XMP は初期実装では対象外)
metadata batchフォルダ内 PDF のメタデータを一括削除、または --title などで指定した項目を一括設定
metadata cleanメタデータを削除
image画像などから PDF を作成
images埋め込み画像の一覧
images extract埋め込み画像をファイルに抽出
infoページ数・サイズ・暗号化有無・PDF バージョン・XMP・PDF/A・PDF/X らしき識別情報・署名・添付など(準拠検証ではない)
report単一 PDF / フォルダの構造情報とメタデータを読み取り専用で一覧化(暗号化有無・PDF バージョン・PDF/A・PDF/X らしき識別情報・署名・添付などを含む。準拠検証ではない)
inspect外部リンク・添付・JavaScript などの確認項目一覧と PDF プロファイル情報(安全判定・準拠検証ではない)
unlock batchフォルダ内のパスワード保護 PDF をパスワードなしのコピーとして一括保存
unlockパスワード保護 PDF をパスワードなしの新しい PDF として別名保存
hash任意ファイルの SHA-256
versionバージョン表示
license利用条件の要約
policy安全ポリシー
licenses依存ライブラリのライセンス

info は構造情報と PDF プロファイル(バージョン・PDF/A・PDF/X らしき識別情報・署名・添付など)、metadata show は文書プロパティ(タイトル等)、report は複数 PDF の読み取り専用一覧(PDF 変換 / Producer とプロファイル列を含む)、inspect は単一 PDF の確認項目一覧とプロファイル情報、hash は PDF 以外も含む任意ファイル向けです。いずれも準拠検証や安全判定は行いません。

メタデータの編集・保存(metadata set / GUI Metadata)では Title などの項目に加え、--producer / GUI の PDF 変換 で Producer も指定できます。空にすると Producer を削除します。他の項目だけを編集した場合は可能な限り既存の Producer を保持します。metadata replace は Title・Author・Subject・Keywords・Creator・Producer 内の部分一致置換です(入力 PDF は直接変更しません)。metadata batch は、フィールド指定がなければ各 PDF に metadata clean と同じ削除を行い、--title / --author などを付けた場合は指定した項目だけ metadata set と同じ更新をします。結果は出力フォルダへ保存します。

多くのコマンドで --json(JSON 出力)、--quiet、--verbose、--force などが使えます。info / metadata show / report / inspect / text / images / diff ではパスワード保護 PDF 向けに --password も使えます(パスワードはログや出力に含めません)。report --contains はメタデータ(Title など)の部分一致フィルタ、report --contains-body は抽出可能な本文テキストの部分一致フィルタです。1 ファイルの本文検索は text find を使います。詳細は manapdf コマンド名 --help を参照してください。

CLI の例

# 比較(テキスト差分を含む)
manapdf diff old.pdf new.pdf --text

# テキスト抽出(JSON)
manapdf text document.pdf --json

# 本文テキスト検索(ヒットしたページ番号を表示)
manapdf text find document.pdf --text "検索語" --json

# テキストのフレーム一覧(注釈・フォーム・本文ブロックの矩形)
manapdf text regions document.pdf --json
manapdf text regions document.pdf --contains "検索語" --kind text-block --json

# 一致したフレームの除去(別 PDF。白塗りではなく、完全な秘匿でもない)
manapdf text regions remove input.pdf -o output-frames.pdf --contains "検索語"

# 本文テキスト置換(置換後に text find で確認推奨)
manapdf text replace input.pdf -o output.pdf --find "旧名称" --replace ""

# フォルダ内 PDF の棚卸し(メタデータに文字列を含むものだけ)
manapdf report .\pdfs --recursive --contains "検索語" -o matches.csv

# フォルダ内 PDF の棚卸し(本文テキストに文字列を含むものだけ)
manapdf report .\pdfs --recursive --contains-body "検索語" -o matches.csv

# メタデータ内の文字列置換(1 ファイル)
manapdf metadata replace input.pdf -o output.pdf --find "旧名称" --replace "新名称"

# フォルダ内 PDF のメタデータ削除
manapdf metadata batch .\pdfs --output-dir .\out --recursive

# フォルダ内 PDF のメタデータ一括指定(指定した項目だけ更新)
manapdf metadata batch .\pdfs --output-dir .\out --author "部署名" --recursive

# メタデータ表示
manapdf metadata show input.pdf

# 画像フォルダから PDF 作成
manapdf image .\photos -o output.pdf

# 埋め込み画像の抽出
manapdf images extract input.pdf -o .\out

# 構造情報
manapdf info sample.pdf

# フォルダ内 PDF の棚卸し(読み取り専用)
manapdf report .\pdfs --recursive --json
manapdf report .\pdfs -o inventory.csv --lang ja

# パスワード保護 PDF をパスワードなしのコピーとして保存
manapdf inspect sample.pdf --json
manapdf unlock protected.pdf -o unprotected.pdf --password "your-password"
manapdf unlock batch .\pdfs --output-dir .\out --password "your-password" --recursive
manapdf unlock batch .\pdfs --output-dir .\out --password-csv passwords.csv --recursive
manapdf unlock batch .\pdfs --output-dir .\out --ask-password --recursive

unlock batch の主なオプション

1 行 1 パスワードのテキストファイルを順番に当てる、ファイル名からパスワードを拾うなどの例は Tips — フォルダ一括解除 を参照してください。

diff の主なオプション

image の入力と並び順

並び順の比較表と失敗例は Tips — 画像から PDF を参照してください。

Tips(具体的手順)

読み物 で触れたテーマを、GUI・CLI の短い手順にまとめたページです。ここ(ヘルプ)が全文マニュアル、Tips は「よくあるやり方」向けです。

一覧: Tips トップ

よくある質問

PDF は外部のサーバーに送られますか?

ManaPDF の PDF 処理は端末内で行われ、通常の利用で文書を外部サービスへアップロードしません。GUI の About → Policy や manapdf policy も参照してください。

会社で利用できますか?

現在公開している ManaPDF は無料で利用できます。個人・業務・組織を問わず、現時点では利用料はかかりません。

ただし、会社や組織のセキュリティポリシーによっては、無料ソフトウェアや個人配布ソフトウェアの利用が難しい場合があります。

Microsoft Store 経由の配布は導入をしやすくすることを意図しています。将来的に法人・組織向けの有料ライセンスを提供する可能性があります。有料ライセンスを導入する場合は、対象範囲、価格、利用条件を事前に明示します。詳細は ライセンス を参照してください。

どこから入手できますか?

公式の入手先は Microsoft Store のみです(製品ページ)。GUI と CLI(manapdf alias)の両方が含まれます。

GUI は裏で CLI を起動しますか?

いいえ。GUI は ManaPDF Core を直接呼び出します。通常の PDF 処理で manapdf.exe を起動しません。

Store 版を入れたら CLI も使えますか?

はい。同梱の CLI は App Execution Alias により manapdf として使えます。新しい PowerShell または cmd で manapdf version を実行してください。認識されない場合は Windows の「アプリ実行エイリアス」を確認してください。

抽出した CMYK の色がおかしい

CMYK 系は「画面でだいたい見える」ための簡易変換です。印刷原稿どおりの色にはなりません。変換に失敗した場合もファイルは書き出しますが、反転や変な色になることがあります。正確な色が必要なら、作成元アプリで RGB 書き出しした画像を使うか、抽出後に画像ソフトで調整してください。

有料版と無料版で機能が違いますか?

機能の出し分けはありません。ManaPDF は現在無料で、ライセンスキーやオンライン認証もありません。

パスワードを忘れた PDF は解除できますか?

いいえ。Unlock や Metadata の「パスワードなしで保存」は、正しいパスワードが分かっている PDF をパスワードなしの新しいファイルとして保存する機能です。解析・復元・総当たりは行いません。

inspect は安全かどうかを判定しますか?

いいえ。外部リンク・添付・JavaScript など確認項目の一覧を表示するだけで、安全・危険の判定はしません。CLI のみ対応で、GUI 画面はありません。

PDF/A や PDF/X に準拠しているか判定できますか?

いいえ。ManaPDF は XMP などから PDF/A・PDF/X らしき識別情報を検出して表示するだけで、準拠検証や法令適合の判定は行いません。Info・Report・info・report・inspect で同様です。